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こんにちは、4 月にアルバイトから正社員にジョブチェンジした @p1ass です。

最近は新卒研修の真っ只中ですが、結構楽しく生きています。 しかし、他社を含めた同期の話を聞いていると、研修に対して不満を抱えている人も多いようです。

愚痴を色々聞いていると、それらの不満は 「研修の目的の認識のズレ」 が原因なのでは?と思ったので、自分の考えをまとめておこうと思います。

前提として、研修の内容は理不尽なものではなく参加者は意欲的である、ということをご承知ください。クソマナー研修や怒鳴られる研修のことを指しているわけではありません。 また、観測範囲は Web 系のソフトウェアエンジニア職です。

研修のコンテンツと研修の目的

今回は具体例として「アジャイル開発研修」を用いて話そうと思います。1

アジャイル開発研修では、アジャイル開発を学ぶことを目的にチームで簡単なプロダクトを作ります。 開発のお題は「生活を便利にする LINE Bot」で、研修の最後にはプレゼンと投票による表彰があります。

私のチームでは「1 位になりたいよね!」と意気込み、アイデア出しや開発に多くの時間をかけようとしました。 しかし、研修の時間は限られているため、講師から「時間がないので先に進みましょう」と言われ、中途半端なアイデアで開発を始め、開発も中途半端になってしまいました。結果として表彰されることもありませんでした。 「せっかくのチーム開発だったのに消化不良…」と不満を抱えて研修は終了してしまいました。

ここではアジャイル開発研修を例に出しましたが、同様の不満はワークショップを含む研修では少なからず見られると思います。 この不満の根本の原因は、講師はアジャイル開発を教えることを目的にしているのに対し、チームは良いプロダクトを作ることを目的にしていることです。 研修のコンテンツに引っ張られて、本来の目的が別の目的に入れ替わってしまっているのです。

この認識のズレは非常に厄介です。 意欲が高ければ高いほど発生しやすいことに加え、実務に似たワークショップであればあるほど発生しやすいです。 また、研修のコンテンツ設計者は実務に似た設計にした方が納得感が増すと考えていると思われるため、勿論悪気はないでしょう。

この問題を解決するには、認識のズレをなくすしかありません。 研修の参加者は研修の本来の目的をしっかり考え、その目的と外れる事柄に関しては一定の距離を置いて行動すると、不要な不満が溜まらないと思います。 実際に私が先日受けたワークショップ型の研修では、この考えをチームで持てたことで不要な議論を生まずに済みました。

また、本来の目的を考えた結果、その目的がおかしいと考えた場合はその考えをしっかりとフィードバックして変更を促したり、チームで合意が取れたなら敢えて本来の目的を無視したりするのが良いです。 フィードバックは来年の新卒研修をより良くするために重要です。フィードバックは単なる愚痴ではないので、伝え方を工夫して下手に亀裂を生まないようにした方が後々楽だと思います。以下の記事はフィードバックの伝え方の参考になると思います。

本来の目的を無視するのははばかられるかもしれませんが、不要な不満を貯めるよりは振り切ってしまった方が気持ちが楽になれます。 勿論、きちんと対話して納得できなかった場合の話ですが。

おまけ

余談ですが、チーム開発でチームメンバー間で目的の認識がずれてギスギスすることもあるようです。 こちらの場合は手段と目的ではなく、主目的と副目的が入れ替わっている可能性がありそうです。 今後私の研修でもチーム開発があるので、この辺を意識して取り組もうと思います。

参考文献


  1. 私を含め周りにアジャイル開発の研修を受けた人はいないですが、説明のために引っ張ってきました。 ↩︎